無顎類とはなんでしょうか?
前回は「魚類」について記事を書きました。
今回はその中でも「無顎類」に注目して記事を書いていきます。
この記事では以下のことを書いていきます。
①無顎類って何なのか
②どんな生き物がいるのか
この記事を書くにあたり以下の書籍を参考にしました。
・魚類学の百科事典 (丸善出版)
・小学館の図鑑Z 日本魚類館(小学館)
・魚類学(恒星社厚生閣)
前回の復習
前回の復習もかねて以下の図をご覧ください。
「無顎類」というのは魚類の中でも「ヌタウナギ類」「ヤツメウナギ類」のことでしたね。
顎が無いと書くので文字通り、顎を持たない魚のことです。
歴史
無顎類は古生代、特にデボン紀に様々な種が栄えていました。
口の構造からみて無顎類は低次捕食者だったと考えられます。
低次捕食者とは食物連鎖において下位の捕食者のことを指します。
他の生物を食べつつも、上の捕食者に食べられる生き物です。
しかし、ヌタウナギ類とヤツメウナギ類を除いてデボン紀の終焉とともに消滅したとされています。
デボン紀から存在した。つまり脊椎動物の中でもっとも原始的であるとされています。
特徴
現生する無顎類はヌタウナギ類とヤツメウナギ類のみです。
ともに「うなぎ」とついてますがウナギ目魚類とは分類学的にも系統学的にも異なります。
ヌタウナギ類とヤツメウナギ類で共通する特徴は以下の通りです。
- 顎がなく、舌器官がある
- 鼻が1つしかない
- 脊索がある
- 対鰭や鱗がない
- 骨格は軟骨性
口の形から円口類(Cyclostomata)と呼ばれることもあります。
ヌタウナギ類
皮膚に多数の粘液孔をもち、多量の粘液を排出することが知られています。
「ヌタ」とはこの粘液のこと。
自身を遺物から保護するとともに、他の魚類の鰓に絡ませて殺すことがあると言われています。
かつては「メクラウナギ類」と呼ばれていました。
写真で分かるように、眼が退化しており皮膚に埋もれているためです。
現生する種は1科6属78種に分類されています。
世界中の温帯域の海洋に生息して深海性のものが多く、大きさは最大でも1mです。
日本近海ではヌタウナギ、クロヌタウナギ、ホソヌタウナギ、オキナホソヌタウナギなどが確認されています。
どれも準絶滅危惧種もしくは絶滅危惧にしていされています。
日本では食用にあまりされていません。
ヤツメウナギ類
眼の後ろにある7つの丸い鰓穴が並ぶことからヤツメウナギという名があります。
ヌタウナギと比べて眼がハッキリとしています。口が吸盤上のなっています。
現生する種は3科10属40種に分類されています。
繁殖は河川で行われますが、大人になった後に海に行く種と河川に残る種がいます。
温帯域に広く分布しています。
日本ではカワヤツメ、シベリアヤツメ、スナヤツメなどが確認されています。
どれも準絶滅危惧種もしくは絶滅危惧にしていされています。
まとめ
・無顎類は現生する最も原始的な脊椎動物
・ヌタウナギ類とヤツメウナギ類がいる
参考にした書籍のリンクを貼っておきます。
ご興味のある方はぜひ手にしてみてください。
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