そもそも魚類ってなんなのだろうか?
今まで「マダイ」と「カサゴ」の記事を書きましたが、そもそも魚類ってなんだ?
そんな記事を書いていないことに気が付きました。
現生の魚類は、世界で34000種以上が知られています。(深海なども含めると未発見の種も多いかと思います)
魚類の種数は脊椎動物全体の半数を占めており、日本近海では4300種以上がいるとされています。
そんな魚類について詳しく見ていきたいと思います。
この記事ではなるべく簡単に以下のことを解説します。
①魚類とは何なのか
②魚類に関する基本情報
この記事を書くにあたり以下の書籍を参考にしました。
・はじめての魚類学 (オーム社)
・魚類学の百科事典 (丸善出版)
・小学館の図鑑Z 日本魚類館(小学館)
・魚類学(恒星社厚生閣)
分類の話
まずは生物の分類の話になります。
生物の分類は、共通の特徴を持つ生物をグループ分けするシステムです。「分類学」と言います。
界、門、綱、目、科、属、種と階層分けがされているということだけで今はOKです。
人間(ヒト)の場合、以下のように分類されます。
【ヒトの分類】
界:動物界(Animalia) 門:脊索動物門(Chordata) 綱:哺乳綱(Mammalia)
目:霊長目(Primates)科:ヒト科(Hominidae)属:ヒト属(Homo)
種:ヒト(Homo sapiens)
人間とチンパンジーは近いと言いますが、チンパンジーの場合は以下の通りです。
【チンパンジー】
界:動物界(Animalia)門:脊索動物門(Chordata)綱:哺乳綱(Mammalia)
目:霊長目(Primates)科:ヒト科(Hominidae)属:チンパンジー属(Pan)
種:チンパンジー(Pan troglodytes)
見ての通り、科までは人間と一緒ですね。属から異なっています。
上の表からも分かるように、私たちが普通に使っている「哺乳類」「魚類」などの「類」は分類学上は、正式な分類ではありません。
たとえば「哺乳類」は「哺乳綱」全般を指します。
「魚類」というと分類自体はかなりややこしくなっております。
分類学をしている方には怒られそうですが、
一般人は「魚類」=「魚の仲間」という認識でいいと思います。
もっと詳しく分類学を学びたい人は、書籍等で学ぶのがオススメです。
魚類について
前置きが長くなりましたが、魚類について見ていきましょう。
ここでは人とマダイを比較してみましょう。
「界」と「門」までは共通です。
哺乳類も鳥類も魚類も元々は同じ祖先から生まれたなんて話も聞いたことはあるのではないでしょうか
次は魚類に何が含まれるのかを見ていきます。
何のことやらという図が出てきましたね。
魚類には「無顎類」「軟骨魚類」「硬骨魚類」が含まれており、
さらに器官の「ある」「なし」で細かく分けられるということです。
「頭蓋」があり、「脊椎」がある「軟骨魚類」と「硬骨魚類」は人と同じで「脊椎動物」に含まれます。
【脊索動物と脊椎動物】
上の表では人や魚は「脊索動物綱」となっており、「脊索」「脊椎」でまた混乱すると思います。
下の図の通り、脊索動物の中に脊椎動物が含まれています。
さてさて、ここまでのことをまとめますね。
①魚類とはなんなのか?
「無顎類」「軟骨魚類」「硬骨魚類」のことです!
魚類の基本情報
前の部分と被る部分がありますが、魚類は「無顎類」「軟骨魚類」「硬骨魚類」のことです。
先ほどと同じ図です。
【無顎類】
こちらにはヌタウナギ類とヤツメウナギ類が含まれています。
名前の通り、顎を持たない生き物です。
咀嚼に使う顎がなく、代わりに吸盤や口腔にある構造で餌を取ります。
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【軟骨魚類】
骨格が軟骨で構成されている魚類です。
ギンザメ類、サメ類、エイ類が含まれています。ギンザメ類とサメ類、エイ類の違いは何でしょうか?
サメ類とエイ類は「板鰓類(ばんさいるい)」となってますね。「鰓」は「えら」と読みます。
板のような鰓(えら)ということで、サメの写真とエイの写真を見てみましょう。
「鰓」が板の様に並んでいますよね。このため「板鰓類(ばんさいるい)」となってます。
一方で、ギンザメは鰓蓋が一つしかありません。
サメとエイの違いはまた別の記事で解説します。
【硬骨魚類】
軟骨魚類とは違い、骨格が主に硬い骨でできている魚類です。
脊椎動物の中で最も多様なグループです。
私たちが日常的に目にする魚の多くが硬骨魚類に属しています。
皆様がご存じの典型的な魚の型のものから、平べったいもの、細長いもの、丸いもの
様々な魚がこの硬骨魚類というグループに属しています。
また硬骨魚類の多くは「スズキ目」に分類されています。
まとめ
・魚類とは「無顎類」「軟骨魚類」「硬骨魚類」のこと
・魚類は本当に多種多様で面白い
参考にした書籍のリンクを貼っておきます。
ご興味のある方はぜひ手にしてみてください。
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