軟骨魚類ってなんぞ?
はい、前回に引き続き魚類の分類について書いていきます。
本日は軟骨魚類です。この記事を読めば、
・軟骨魚類の特徴
・どんな生き物がいるのか
この記事を書くにあたり以下の書籍を参考にしました。
・魚類学の百科事典 (丸善出版)
・小学館の図鑑Z 日本魚類館(小学館)
・魚類学(恒星社厚生閣)
魚類っってそもそもなにという人はこちらの記事を!
歴史
軟骨魚類の登場はデボン紀ですが、最も繁栄したのは石炭紀です。
多様性は減っていますが、今でもしっかりと軟骨魚類の歴史は続いています。
特徴
骨格系は軟骨でできています。軟骨と言っても種によってはかなり硬い骨格を持ちます。
雄が1対の交接器を備え体内受精を行うことも軟骨魚類の特徴です。
表皮はいわゆる「さめ肌」となるものが多いです。
また鰾がないのも軟骨魚類の特徴です。こちらについては後ほど記述します。
軟骨魚類の現生種は、形態的な特徴および近年の分子系統解析の結果から、全頭類と板鰓類に分けられています。
全頭類(ぜんとうるい)
全頭類(ギンザメ類)は約40種が現生する種として知られています。
板鰓類との明確な違いは鰓孔(さいこう)が一つであることです。また深海性のものが多いです。
日本ではギンザメ、アカギンザメ、テンジクギンザメなどが確認されています。
板鰓類(ばんさいるい)
現生の板鰓類は、ネズミザメ・メジロザメ類、ツノザメ類およびエイ類の3つの系統で構成されます。
この記事では、ネズミザメ・メジロザメ類、ツノザメ類を「サメ類」として書いていきます。
【サメ類】
サメ類の特徴はいづれの種でも鰓孔(えらあな)が5列で、明瞭な臀鰭(しりびれ)があります。
上のサメの写真でも鰓が5列あるのが確認できます。
背鰭(せびれ)は基本的に2基あります。
ネズミザメ・メジロザメ類は、ネコザメ目、テンジクザメ目、ネズミザメ目、メジロザメ目の4目に分類されます。このうちネズミザメ類とメジロザメ類は近縁とされています。
ツノザメ類はラブカ目、カグラザメ目、キクザメ目、ツノザメ目、カスザメ目、ノコギリザメ目などに分類されます。
ジョーズで有名な「ホホジロザメ」はネズミザメ目
水族館で人気の「ジンベエザメ」はテンジクザメ目
凶暴なサメで有名な「イタチザメ」はメジロザメ目に分類されています。
【エイ類】
エイ類は、外部形態や骨格・筋肉の構造でサメ類と大きく異なります。
サメ類との決定的な違いは鰓孔が腹側にあることです。
なので例えば「トンガリサカタザメ」や「ウチワザメ」という魚は、「サメ」と名前が付いていますが、エイ類に含まれます。
エイ目はトンガリサカタザメ目、サカタザメ目、シビレエイ目、ガンギエイ目、トビエイ目に分類されています。
沖縄の水族館で人気の「マンタ」もエイの仲間です。
鰾(うきぶくろ)がない軟骨魚類
硬骨魚類には鰾(うきぶくろ)という器官があります。この器官は中に気体が入っている袋状の器官です。
魚の筋肉や骨格は海水よりも重いため、多くの魚はこの鰾で浮力を調整しています。
一方で、軟骨魚類には鰾がありません。
その代わり、浮力調整は体液成分、肝臓成分、体の動きで得ています。
見たことある人は知っていると思いますが、サメやエイの肝臓はかなり大きいです。
サメなどの肝臓は油分も多いので、これも浮力調整の役割に一役買ってます。
サメの肝臓から絞り出した肝油ドロップなどもありますね。
まとめ
・軟骨魚類は全頭類と板鰓類に分類される
・板鰓類はサメ類とエイ類に分類される
・軟骨魚類には鰾(うきぶくろ)がない
参考にした書籍のリンクを貼っておきます。
ご興味のある方はぜひ手にしてみてください。
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