天気を学ぶ -part.1-

マリンレジャー

はじめに

海洋における物理的・化学的・生物的な諸現象の総称を「海象」と呼びます。

「海象」の多くは「気象」に基づいているため先に天気の知識を身につけましょう。

大気とは

空気中にある空気を大気といいます。

天気の変化(晴れたり、曇ったり、雨が降ったり)は大気が移動することによって生じる気象現象です。

地表から100kmまでは大気が覆っており、大気の構成は右図の通り、窒素と酸素で99%を占める。

また空気には水蒸気が含まれており、これが湿度に影響しています。冬は空気が乾燥している、梅雨はジメジメしているなどはこの空気中の水蒸気が影響しているからです。

水蒸気を多く含んでいると、空気は湿っており、少なければ乾燥しています。

この水蒸気を含める最大の量は空気の温度が関係しています。右図では…

[20℃] 空気中の水蒸気が飽和状態

[10℃] 17.3-9.4=7.9gの水蒸気が水滴になる

つまり

空気が温かいと多くの水蒸気を含むことができ、冷たいと少なくなります。

これを飽和水蒸気量といいます。

水蒸気を含む大気の重さによって生じる力が、気圧という数値で表されて、空気の流れを作ります。

[飽和水蒸気量]
氷と水を入れたコップを常温に置いておくと、コップの周りに水滴がつき始めます。
これは周囲の空気よりもコップの周りの温度が低くなり飽和状態になるからです。
空気が冷えると雨が降るのも、これと同じ原理です。

気圧とは

地表を覆う空気量が多くなると、単位面積当たりで受ける力が強くなります。

一方で空気量が少なくなると、単位面積当たりで受ける力は弱くなります。

ある地点と別の地点で空気の重さ(気圧)が違うと、重い方から軽い方へと空気が移動してバランスを取ろうとします。

これが地球規模で起きるのが大気の流れです。

空気の流れをイメージするには標高差による水の流れを意識するとよいです。
高い所へ水が流れるように、気圧の高い所から低い所へ空気が流れます。
空気が流れることによって風が生じます。

高気圧と低気圧

天気図では気圧配置を視覚的にわかりやすく表すために等圧線が用いられます。

等圧線は同じ気圧の地点を線で結んだもので、気圧の高い地点と低い地点が一目でわかります。

天気図を見ると、等圧線が円形に閉じているところが高気圧や低気圧になります。

周囲よりも気圧が高ければ、そこが高気圧

周囲よりも気圧が低ければ、低気圧となります。

右の図では高気圧は1024となっており、周囲
より気圧が高くなっていることがわかります。
*気象庁ホームページより引用
気流の発生

空気は気圧が高い所から低い所へ流れます。

そのため、地球上の大気は高気圧から低気圧へと流れます

この空気の流れを気流と呼び、これがです。

天気図では、等圧線が狭くなっているところでは気圧の差が大きいため風が強く吹きます。

このとき風はコリオリの力(後述)を受けるため曲がります。

高気圧からは時計回りに風が吹き出し、低気圧には反時計回りで風が吹きます。

高気圧では下降気流が生じため雲ができにくく、天気は良くなる傾向にあります。

低気圧では上昇気流が生じるため、雲ができやすく、一般的に天気は悪くなります

コリオリの力

地球が自転しているため、大気も自転から置いて行かれます。

このため見せかけの力を受け、この力のことをコリオリの力と言います。

地球は自転しており、

その軸は23.4度傾いています。

空気が、高気圧から低気圧に向かって流れていても、地球上では、地球の自転によって空気も右に曲がってしまうのです。

高気圧の中心から時計回りに風が吹き出し、低気圧の中心に向かい反時計回りに空気が吹き込みます。

高気圧と下降気流

高気圧から低気圧へ大気が流れる際、上空にある空気が下降します。

高気圧を垂直面で見ると、上から下に向かう下降気流が発生しているというわけです。

気圧の低い上空から気圧の高い地表に向けて、空気の塊が下降すると気圧の力によって空気は収縮します。この際に熱エネルギーが発生します。

熱エネルギーの発生に伴い、空気は暖かくなります。

暖かい空気は水蒸気を含める量が多いため、雲ができにくく晴れるというわけです。

他にも高気圧の特徴としては以下のものがあります。
・低気圧を比べて等圧線の間隔が広い
・風も穏やかなことが多い
・季節としては春や秋の穏やかな晴れの日のイメージ
低気圧と上昇気流

高気圧から低気圧へと流れた空気は、低気圧の 中心に集まりぶつかります。ぶつかって行き場を失った空気は上空に上昇します。

こうして低気圧では上昇気流が生じます。

上空へといった空気は熱エネルギーを失い、冷えていくため飽和水蒸気量が低くなります。

水蒸気が凝結して雲粒となり、低気圧では雲が発生するのです。

雲粒が成長して、雨粒になります。こうして低気圧では天気が悪くなるということです。

低気圧では以下の特徴があります。
・等圧線が密接している
・気圧の差が大きいため強い風が吹く
・赤道付近で発生した熱帯低気圧は発達して台風となる

まとめ

  • 大気中に含まれる水蒸気の量は天気に影響を及ぼす
  • 水蒸気を含める量は気温によって変化する
  • 気圧は空気の量みたいなもので、風が吹く原因は2地点の気圧差があるため
  • 高気圧から低気圧に向かって大気は移動する
  • 高気圧では下降気流が生じて天気はよい
  • 低気圧では上昇気流が生じて雲ができやすく、天気は悪い

【参考書籍】


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