刺胞動物

海の生き物

刺胞(cnida)をもつ生き物たち

刺胞動物とは刺胞(cnida)とよばれるミクロの銛を持つ生き物たちの分類群です。

クラゲやイソギンチャク、サンゴなどが刺胞動物の動物門に属しています。

体の構造は極めて単純な構造をしています。

刺胞動物の各種は有性世代と無性世代の2相を有し、環境条件などが関わった両世代が組み合わさった複雑な生活環を示します。

両世代を周期的に繰り返すこのよな生活環は世代交代の代表的な例とされています。

生活環
特定の生物のライフサイクル、誕生から繁殖、死に至るまでの一連の過程のことを指します。

体の構造と機能

①一般形態

外見的には体内に大きな内腔を含む袋状の構造を示します。内腔は腔腸と呼ばれ、消化、吸収の場となる消化腔です。

この腔腸の外部への開口は、食物を取り込む口であり、同時に不要物を体外に出す排出口です。

また口部には多くの触手が取り巻いている。

要するに、
刺胞動物は体の中に袋状の消化器官を持っている。
消化器官と外部をつなぐ口は、食事をする口であり、不要物を出す排出器官でもある。
といった内容です。

腔腸を包む体壁は3層構造になっており、それぞれ異なる機能を有する細胞からできています。

②刺胞

刺胞動物の特徴である刺胞は、攻撃や捕食者からの防御などに関わる構造で、時には移動の際にも機能します。

刺胞の形状と機能は種類のによって様々ですが、多くは貫通型の刺胞です。

刺胞は卵形の刺細胞の内部にあり、その中に刺糸が折り畳まれています。普段は蓋で閉じられていますが、開口部にある刺細胞突起に刺激が加わると、刺糸が放出するキッカケとなるとされています。

貫通型の刺胞では刺糸の先端は尖っており、これで目標物を刺し、毒を注入します。

刺胞毒はアミン類やペプチド類に属する毒物です。

刺糸の表面は鋭い小さな棘が螺旋状に巻いており、抜けない仕組みになってます。
刺細胞はほぼ体全体に分布するが、とりわけ触手や口の周辺部に集中しています。

③腔腸

単純なものでは単なる袋状ですが、複雑なものでは袋の中が隔壁で区分けされています。

この隔壁の配置は重要な分類形質になっています。

分類形質とは生き物を分類する際に特徴となる形質のことです。

腔腸は消化・吸収の場であるばかりではなく、循環、排出および生殖の場でもあります。

④接触および消化

刺胞動物の多くは肉食性ですが、一部は懸濁物食者もいます。

触手の刺胞を用いて餌生物を捕ると口から腔腸に入り、消化をします。

刺胞動物の中でもサンゴなどの一部の例外(体内に単細胞の共生藻類を伴うもの)では、必要とする栄養物のほとんどを藻類の光合成産物に依存していると考えられています。

刺胞動物の分類

①ヒドロ虫綱

3200種ほどが知られており、一部汽水域や淡水域にも生息しています。

②箱虫綱

アンドンクラゲやハブクラゲなどの毒性の強い種がいます。

③鉢虫綱

ミズクラゲが属しています。200種程度で、すべて海にいる種です。

表層から3000mの深海まで広く分布しています。

④花虫綱

種数は6200種ほどで、刺胞動物の中で最大の綱です。

すべてが海産の種です。イソギンチャクやサンゴなどはこの綱に含まれます。

まとめ

・刺胞という特徴を持つ刺胞動物

・クラゲやイソギンチャク、サンゴは刺胞動物の仲間

・ヒドロ虫綱、箱虫綱、鉢虫綱、花虫綱に分類される

今回参考にした書籍は以下の書籍です。もっと読み込んだら追記します。

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